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山あいで狩猟採集生活を目指す野楽生(のらぶ)のあしあと

野楽生れば

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続、鹿解体・前編
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    前記事の終わりで書いたように、罠猟で鹿を獲った。その解体について書く。
    以前「鹿解体」という記事を書いたけれど、その時には書かなかったこと、またその時とは違うこともある。熊つぁんに教わったことを基にしながら、時間をかけてじっくりと鹿の身体に向かい合いすすめていく作業は、一回ごとに学びがある、自然からの教えだ。なるべく詳しく書いたため長文となったので、前後編に分けることにする。

    解体は内臓を出すことから始まる。内臓を出す前に皮を剥ぐやり方もあるそうだが、おれはまだやったことがない。丁寧に皮を剥ぐには結構時間がかかるので、新鮮なうちに心臓・肝臓などを取り出したいため、また沢辺で洗いその後吊るすといった段取りの都合、皮を剥いで露出した肉に汚れ(砂・毛など)が着かないため等から、まず内臓をとるやり方をしている。

    最初に、開く部分の皮を裂く。胸の一番上の肋骨が始まるところあたりからナイフを入れ、肋骨、腹部、会陰へと切る。次に肉を切って開く。やはり胸の上の肋骨の始まりからナイフを入れ、肋骨と鳥骨(胸の真ん中の合わせにある骨)のつなぎ目を切り離していく。骨を断つ、という印象があるが、骨と骨のつなぎ目は上手に刃を入れれば力を入れなくとも離れていく。鳥骨に接しているのは軟骨であることも、切り離しやすい大きな理由かも知れない。

    一本一本肋骨を切り離してゆきながら、内部の臓器を傷つけないように気をつけなくてはいけない。肋骨内部に手を入れて臓物との間に隙間をつくる。この時、火傷するかと思うほど熱い体温に、背筋が引き締まる思いがするのは毎回変わらない。
    心臓、肝臓はこの段階で取り出すことが多い。傷の無い臓器は、熱い血のなかから生まれた、美しい姿をしている。生を、感じさせる。

    胸が終わり腹部を切る。骨はないので切っていくのは腹筋だけだ。二足歩行の人と違ってその筋肉は薄く柔らかい。バラ肉だ。ここでも内臓を傷つけないように手を入れる。腸を傷つけて中身を出すと臭いからだ。中身が出れば臭いが肉にうつってしまうこともある。筋肉と腹膜の間に手を差し入れながら慎重に腹筋だけを、腰骨の前部まで切り開いていく。切り進む時、刃が繊維を裂いていく音が聞こえるようだ。ピンと張った上等の布を切るように、刃の動きに沿って肉が分かれていく。

    腹をすっかり開けた後、肛門周囲を丸く切り、直腸を手で掴んで中身が出ないように絞りながら、腹の内部を逆進させて開口部から外へ出す。
    この作業は正直いって苦手である。糞で手が汚れるのもいやだけど、それ以上に局部へ手を出すことに対しての強い抵抗感がある。鹿に申し訳ない思いがするのだ。
    けれどもそんな抵抗感が理由で、思い切りがわるいまま作業していて中途半端な処置をし、周囲の肉を汚して食べられなくしてしまったこともある。そうやって無駄を作ることを避けるためにも、やるからには、手を汚すことを恐れて中途半端にするわけにはいかない。鹿への申し訳なさをいっそうの感謝の念に換えながら、作業していく。

    直腸につづいて、胃と腸のすべての消化器官を腹膜からはがしつつ、まるごと体外へ出す。脂肪ののった腹膜は煮込むと美味しいスープになる。胃を取り分け、切り広げてよく洗う。消化途中の内容物は少々臭うが、みな草の繊維だ。水洗いできれいに落ちていく。
    腸も、お湯を使ったりしてよく洗えば食べられるのだけど、おれとおかマタギの二人だけで解体をするのはかなりの労力と時間を要し、皮、肉、骨、心臓肝臓胃、脳を処理するだけで手一杯となってしまう。残念ながらいまのところその他の臓器は山に棲む鴉たちの食べるままにしている。

    内臓を取り出した体内を沢の水で洗い流し、家の中に運んで皮剥ぎに取り掛かる。


    この冬(昨冬)から心がけたのが解体する時間帯だ。動物の身体は死後硬直する。気温でも左右するが、死後二時間くらいから筋肉が硬くなっていく。硬直前もしくは硬直中に解体をした肉は、肉汁が出てしまって旨みが減り、また料理しても硬くて食べにくいという。おかマタギの知識をもとに、できるだけ硬直が解けるまで解体しないよう気をつけてみた。

    皮を剥ぐのにはあまり影響がないと考え、吊るしてからすぐ剥ぎにかかったが、作業中も硬直は進む。どうも硬直前より硬直中・硬直後の方が皮も剥ぎやすい気がした。
    そして肉の解体に関しては、硬直前後で大きな違いがあった。

    後編へ続く。
    | 狩り | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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