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山あいで狩猟採集生活を目指す野楽生(のらぶ)のあしあと

野楽生れば

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山と躰
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    友人のダンサー、“跳ぶ黒耀”が遊びに来た。
    ある小さなイベントで知り合って以来、六年越しの付き合いだ。おれの作ったペンダントの初めての購入者であるかれは、新作を作るたびに熱心に選んでくれて、常に頸に掛けていてくれる。

    跳ぶ黒耀がうちに来たのは初めてのことではないが、今回は一緒に尾根へと上った。
    幼い頃から山や木々に親しんでいたというかれは最近特に山々に惹かれるらしく、毎日のように山間へと車を走らせているそうだ。そんな「山好き」の所以かはたまたダンスで培っている身ごなしのためか、急傾斜にもかかわらずかれの足運びは確かなもので、山にしょっちゅう薪をとりに入っているおれと同じくらいの速度で上っていく。

    斜面を稲妻に横切る鹿の道、針葉樹の多い尾根の道を歩きながら、話をする。躰(からだ)の使い方や身体表現、藝(芸)術に関して、かれとは同じ視点を持つと感じている。小学生の頃からダンスにのめり込んでいる跳ぶ黒耀、幾多のイベントやステージで踊るかたわら現在は後輩たちに教えてもいる。
    そんななかで、かれが大事にしているのは身体で感じ、楽しむことだ。「技術を会得するだけでは光らない」。かれ自身、体操選手のところへ勉強に行ったりと技術を取り込むことには積極的だが、自分の内側から求めるもの、内面を表現する手段として自分に合った技術だからこそ習得するのだ。

    そんな話をしたり、山の話をしたりしながら、お気に入りの岩尾根に来た。


    *              *              *

    身体を使う上で重要なのは足腰だ。特に腰は「体の要」と書くくらいで、その使い方は全身の動きに影響する。
    腰、といっても様々なとらえ方があるけれど、武術や整体を通して見ると骨盤と腰椎の使い方=姿勢が大事だということがわかる。
    人の脊椎は二足歩行するためS字を描く形になり、腰椎は臍の方向に湾曲している。そしてその下に続く骨盤がどの方向を向いているかで、全身の使い方はことなってくるのだ。武術のようにしっかりとして速い動きに備えるためには、骨盤下部が前方を向く方がよく、また腰周りの筋肉、体の内側の筋肉を適度に活用し鍛えることにもなる。内臓を上に押し上げるような姿勢だ。

    この骨盤の向き(姿勢)、そして骨盤自体がいかに柔らかく動くか、ということが健康上でも身体表現の上でも大切になってくる。

    骨は硬いものではあるけれど、柔らかいものでもあるのだ。

    生きている骨は水々しいもので、柔軟性があり、それゆえに弾力ある頑丈さをもっている。一つの骨も、実はいくつもの部分が合わさってできており、関節ほどではなくとも可動性があるのだ。鹿を解体し、スープを摂るために鍋で煮続ける骨を見ることで、骨に対するおれの認識は以前より詳しくなった。煮終わった骨が無数の細かい部分にほぐれることや、煮る前より軽く脆くなっていることは、生きている骨の内にある水と養分(軟骨や脂肪のようなどろりとしたもの)の存在をありありと感じさせた。これらが骨の強さを担っているのだ。

    だから、骨が柔らかく動く、それはいまのおれに実感としてわかるものになった。

    鹿の解体による身体組織の認識と、整体を教わり始めたことで、骨盤を動かすということが重要だということを知った。骨盤は、一番大きな腸骨と、その中心にある仙骨、そして仙骨の下部の尾骨の、三つの骨でなっている。
    腸骨が左右に開いたり閉じたりすることを意識しながら動くと、それだけで以前には苦しかった足の動きもスムーズに気持ちよくできる。
    跳ぶ黒耀にそんな話をしながら、おれの知っているいくつかの動きを教えた。拳法にある両足裏を地面に付けたままの伸脚や、日本武術で“一文字腰”と呼ばれる姿勢などなど。どちらも重心(仙骨のあたり)が二つの足を結ぶ線の上にあることが大事だが、骨盤や股関節をやわらかく使えないとそれがなかなか難しい。
    一文字腰は相撲の四股や股割きとも通じる鍛錬法・柔軟法で、この姿勢のままで息を吸いながら骨盤を閉じ、吐きながら開く。また、腸骨は動かさず、仙骨(と尾骨)だけを左右に震えさせるという動きも見せた。正しくできているかよくわからないのだけれど、少し震えさせるだけで全身がリラックスして、熱くなってくる。
    拳法の伸脚は足首と股関節・骨盤の繋がりをしっかりと意識しながらおこなう。元来おれは右の足首が硬かったのだけど、これをやることで少しずつ柔軟性を取り戻し、同時に股関節も柔らかくなってきたようだ。足を動かすときに以前より軽く、楽になった。
    右足首は左股関節と、左足首は右股関節と関連していると整体で教わった。

    すでにかなり体の柔らかい跳ぶ黒耀も骨盤を意識したこれらの動きは初めてのようで、楽しそうに聞きながら自分でも体を動かして試していた。


    山から下りてきて夕方、薪割り薪切りを跳ぶ黒耀が手伝ったくれた。子どもの頃、田舎の青森で鉈を使って薪割りを手伝ったことのあるという跳ぶ黒耀は、真剣な表情で鋸を操り、斧を振るっていた。

    身体操法は生まれつきではなく幼少時から身に着けていくものだ。その本質を感じ取れれば、どんな動き・表現でも通じるものはある。
    野生の生きものたちのような、理に合い、優美な身体表現を、かれがますます磨き輝かせることを楽しみにしている。


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